うたたね図書館

散らかった好奇心を集める場所

機嫌を取る

 毎日ご機嫌さんならいいけれど、そうもいかないの人間だから。

 どんな友人たちよりも長い時間を過ごしてきた同僚がおりまして、どうにもこうにも

煙たい存在なのです。おそらく似た者同士だから余計に、近親憎悪にも似た感情が現れるわけですな。周りは「同期なんだから」と何かにつけて仲よくしろと言ってくるわけだが、そんなことできるわけないじゃありませんか、お富さん。

 とはいえ、私も社会的には立派な大人なので、あたり良くしておきたいのですが、どうも彼女の方はそんな気さらさらなくしている模様。数年前までは何とか外面を保っていたのにね。機嫌が悪いのか、どうでもいいのか、昼食時間も会話は一切なし。私からも話しかけないけど。だって説教くさいんだもの。押しつけがましいんだもの。さらっと聞き流しておけばいいのに。だって親友じゃないでしょ私たち。

 誰もいない遠くのネットの片隅で、たまには愚痴を書きたいときもあるわけです。

 そんな今日の私の機嫌を取ってくれるものは、ヨーロピアンシュガーコーン。

さあ、食べようかな。

2026年映画初め

 2026年も早いもので10日余りが過ぎました。今年も思い出したようなタイミングで

このブログを続けていきたいと思います。

 

 今年の映画初めは『シャドウズ・エッジ』(原題:捕風追影)

 公開は昨年でしたが、年末はとにかく時間が取れず、年越し案件となりました。

 元作品である『天使の眼、野獣の街』は公開当時観たはずですが、記憶なし。というか、監視カメラを欺く犯罪者とアナクロ捜査の対決という構図は記憶にあるものの、家輝さんが出ていたことをすっかり失念。ヤムヤムは覚えていたんですけどね。あとかっこいいマギ-・シュウ(邵美琪)も覚えている。なぜに家輝さんだけを覚えていないのか?2009年公開なので、16年ぶりの再映画化。この間に韓国映画として『監視者たち』というタイトルでリメイクされるも、こちらの情報は全く知らず。

 で、作品自体は現代の実情にあわせてうまくアップデートされていたところ、御大・成龍を退職した元刑事という設定にすることで、実年齢とのギャップを押さえた結果、好感度が上がったところ。なによりも家輝さんの怪演ぶりに圧倒されました。舞台をマカオとしたのも、話のつくりとしてよかったのかと思います。

 アクションも見ごたえがあるし、二大スターの競演も楽しく、絶対続編を作る気満々なところと言い、年頭を飾るにふさわしい作品でした

 

 

 

 

2026年お正月くらいは

 お正月くらいは何かしようと思っていましたが、普段が怠け者なので、この時だけ何かがでいるはずもなく、明日からは再びの仕事です。

 とはいえ、やはりお正月なので一応何か書き出してみて、一つでも二つでも、何かやり切れればいいなと思っているので、とにかく書いてみよう!

 

1.家計管理

 定年・再雇用の身としては、これにつきるでしょう。年末に何とか棚卸をすませて、

半月ほど複式家計簿なるものにチャレンジ中。少なくとも、財布の中身がピッタリ合ってくことに、ささやかな達成感を感じております。これを一年続けたい。

 

2.休日の計画

 もともと、思い立ったが吉日とばかりに体を動かせないので、急なスケジュール対応ができず、あれこれ見逃したり、行きそびれたりで後悔することしばし。ならば、日程表にすべて書き込んでしまおうというのが今年の目標です。書いてしまうと逆に守らなければ、やらなければという気にもなるので結構自分の性格に合っているかもしれません。

 

3.健康管理

これが一番でもいいと思うけれど、命あっての物種。心身共に健康でやってみたいと思った事を躊躇なくできるからだというのは本当に大切。そのためのメンテナンスを定期的に行っていこうと。一日何かストレッチをするとか、ささやかながら続けたいです。

あ、歯医者と眼医者の日程を決めなくては。

 

4やりきる

これ一本でもいいかも。決めたんだからやりきろう。質や結果は求めない。とにかく

一年最後まで。去年は夏の暑さに負け、年末にかけてなし崩しでしたので。駄目だとおもったら、いったん休んで立て直すことも必要と実感しました。(2番目の目標にも

立て直し用のゆとりを設けないと!)

 

それでは、今年も元気にゆるゆると進んでまいりましょう。

 

4月映画まとめ

 4月も終わったところなので、鑑賞作品を簡単に紹介

moviola.jp

 セリフのない映画ということで、興味深く観に行きました。ちょっととぼけた感じでありながら、なかなか厳しい側面もみせつつの作品。すれ違う一瞬にどれだけ相手に伝えられるかというところが面白く、最後まで楽しめた作品。

 主人公が生活する部屋もかわいらしい。

 

『ステラ ヒトラーユダヤ人同胞を売った女』

klockworx.com

『ステラ』だけだと、往年の母もの映画と一緒になってしまうから副題がついたんでしょうね。タイトルに「女」とかついていると、少し疑いの目をもってしまうのですが、

本作についてはややうなずいてしまう部分もあり。なんというか、嫌な感じのする「女」の部分を使ってまさしく保身をはかっていくあたり、なんともやるせない気になります。この映画『フィリップ』と対にしても面白いかも。男性ならうまくやれたとか、新しい世界への旅立ちといった昇華があるのに、女性では許されない。それは強制収容所送りの危機が迫っていても同じというあたり、もやもやではなく、むしゃくしゃします。

『映画を愛する君へ』

映画『映画を愛する君へ』公式サイト

別の場所で少しつぶやいたので省略。

 

『ボサノバ~撃たれたピアニスト』

bossanova.2-meter.net

予告が良かったので。有名なピアニストの足跡をたどる話とばかり思っていたら、

これはほぼドキュメンタリーと言っていいのでは?ボサノヴァの歴史に欠かせない、だけど途中で消えてしまったピアニスト、その失踪の理由は旋律すべきものだった。どうしてラテンアメリカ諸国で軍事政権が多かったのか?何か良い本はないかな?

 

ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男』

www.goebbelsmovie.com

今月二本目のナチ物。てっきりドキュメンタリーかと思っていたらフィクションなんですね。しかも実際の映像と作品の映像を巧妙につないでいて、立体的なつくりになっている。当然、歴史に名高い人物が出てくるわけですが、そっくりさん風なのではなく、アプローチで寄せていくというのが面白い。80年前に開発された煽りの手法が今なお繰り返されているあたり、背筋がぞっとすると同時に、自分は大丈夫なのかと常に問い続けておきたい。

 

mimosafilms.com

すごい作品です。東京映画祭で特別賞となった時に結構話題になっていたと思います。で、「TATAMI」?畳の事か?と思っていたらまさにその通り。柔道で使う畳がそのままタイトルです。イランとイスラエルの国家的対立がスポーツの場にも持ち越され、挙句の果てに、不本意な棄権を強要される。スポーツをそのまま楽しめることがどれほど特権的なことなのか思い知らされました。一方でスポーツマン同士の交流や、大会運営の裏側、柔道で技をかけられたらどうなるといったあたりが丁寧に描かれていて、単なる政治スリラーに留まらない部分があってバランスが良かった。監督役の俳優はどこかで観た気がしたと思ったら、『聖地には蜘蛛が巣を張る』のジャーナリスト役でしたか。大変な覚悟がないと製作不可能な映画。

『ベルナデット 最強のファーストレディ』鑑賞

 公開当時にどうしようかなと思いながら見逃してしまった『ベルナデット 最強のファーストレディ』をシネマ神戸 にて鑑賞してきました。

 ハードな作品を立て続けに観ていたので、小気味よい映画のリズムがあってとても

楽しめる作品でした。

原題:Bernadette 公開年:2023年 上映時間:92分 

監督:レア・ドムナック ( Léa Domenach)

脚本:レア・ドムナック、Clémence Dargent

音楽:Anne-Sophie Versnaeyen 撮影:Elin Kirschfink 美術:Jean-Marc Tran Tan Ba

編集:Christel Dewynter 衣装:カトリーヌ・ルテリエ(Catherine Leterrier)

 

bernadette-movie.com

 

 映画の始まりは、ジャック・シラクが大統領に初選出されるところから。例えば、アメリカ大統領選挙などを観ていると、その配偶者は全力で大統領候補を応援するし、当選の暁には、その一挙手一投足が何かにつけて報道される訳です。その辺はフランスでも同じと思いますが、1995年当時のフランスでは、当選結果は本人のもの。平たく言えば、内助の功を全うして表に出るなと言われてしまうベルナデット。冒頭の場面、完全にボーイズクラブでしたね。

 面白いと感じたのは、大統領選の時点で彼女は県議会の議員なんですね。言ってみればアメリカ大統領夫人が、どこかの州議会議員をやっているようなものでしょうか?シラク氏と知り合ったのも、パリ政治学院でのことなので、もともと政治には強い興味があったはず。だから、映画は話半分(冒頭から、これはフィクションと宣言している)としても我慢のならない事なはず。夫だけならいざ知らず、娘にまで「発言するときはよく気を付けて」なんてご指導されるようでは、憤懣やるかたなし。

 とはいえ、本人自身のかせというのか教育のたまものというのか、「一歩控えていようかな」と何となく思ってしまうところ。分る気がします。そんな居場所のない彼女を引き上げてくれる力強い相棒が、ベルナール・ニケ。見かけはさえないし、陰で「ぼんくら」呼ばわりされている人間ですが、広報担当の娘が太鼓判を押して指南役に抜擢するだけあって、その能力の高さに驚くばかり。いわば凸凹コンビによるベルナデット改造計画が、この映画の大きな見せ場と思います。例えば、ベルナデットの人気調査とそのプレゼンをするくだり。実際の仕事でも使えるんじゃないかっていうくらいセンスがいい。結果の端的な説明、特記事項の追加、見やすいレイアウト。手作り感いっぱいのプレゼン資料ですが、あのグラフの色彩がおしゃれ。あと、ナイトクラブに繰り出すシーン、暗いところでサングラスって!という場面ですけど、ニケも結構楽しんでいて、いい味出してます。

 忘れてならないのが、自分をないがしろにした人たちへの復讐。きっかけは、自分にされたことではなく、自分の大切なものに対する仕打ちだったというのは指摘したいところ。おそらく自分の事だけなら我慢もしよう(できるのか?)と思っていたかもしれないが、あの大切な亀(名前はマリー・アントワネット)への仕打ちは私も観ていて怒りに震えました。ポスターでも大事に亀をもっているし、折につけ身に着けている亀モチーフのブローチいいですよね。ゆっくりしているようだけど、着実に歩みを進める亀が、ベルナデットのよりどころなんだと思っています。

 話をもどして、復讐劇が本当に痛快で、こんな風にできるなら私もやってみたい!

自分を見下す運転手への復讐は、お国柄も相まって笑ってしまうし(本当は笑えない。今ならパワハラで訴えられそう)、陣営を裏切った政敵(サルコジ!)のお追従を徹底的にはねのける態度はあっぱれ。サルコジのすりよりエピソードは結構しつこくて、その結果アッと驚く結末につながるあたり、観る側は結果を知っているだけに、この関係はどう転んでいくのか?とすこしハラハラしながら観ていたのですが、そこをベルナデットの人間的成長に昇華させて話をまとめて、現実世界をうまくファンタジーに持っていく技がすごいなと思って観ていました。

 本作は政治がテーマではないけれど、自分の選挙区を視察に行って、地元民と気さくに話すあの様子、垣根が低くていい感じです。自己演出と分かっていても、なんというかお互い対等な人間関係が見えて本当に羨ましい。そうそう、極右政権にNOを突き付けるデモの様子もきっちり映画内に入れてくるあたり、さすがと思ってしまう。ベルナデットの直感という表現にしていたものの、この映画に描かれた後の政治情勢を思えば、卓越した政治センスですよね。

 そして、働く女性達へのエールがチャーミング。「市場や農場やそのほかあらゆる場所で能力を発揮しきれずにいる女性」(確かこんな感じだったと思う)って、普通に毎日仕事に通う私を応援しているように感じました。ベルナデットにインタビューをする雑誌記者のエピソードも良かったですね。大統領からみれば取るに足りないようなインタビューでも、「彼女たちは仕事をしに来ているんですよ」と時間押しになっても、そのまま続けるところ、こんな風にサポートしてもらえたらうれしいんじゃないかと感じた場面です。仕事になれてしまって「またか~」なんてやり過ごしがちな、かつて若かった方に強く訴える場面ではないかと思うのです。

 監督自身は影響を受けたくなかったということで、シラク家への取材はほとんどしなかったそう。シラク家側もかなり寛大だなと。それを言えば、サルコジはもとより、皮肉屋のドビルバンとか実名ズバリで出てきますが、忖度なしに映画にできるところ、日本でもぜひと思うのですが、難しいかな。

 もう一つ是非書いておきたいのがポスター。壁紙と同じ柄のスーツに身を包んで、背景扱いされている彼女が、亀を手に自由を手に入れていく話と勝手に思っています。

 

 ドムナック監督の次回作は『男の皮』 これは、書肆喫茶moriさんが主宰されたクラファンで、原作本がただいま鋭意翻訳中です。次回作もぜひ公開されるよう、期待が膨らみます。

 

 

 

 

「ザ・クラウン」ネットフリックス鑑賞中

 ネットフリックスを福利厚生で観られるようになってからというもの、話題作を遅ればせながら鑑賞。「愛の不時着」「イカ・ゲーム」「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」を完走後、現在は「ザ・クラウン」が面白くて仕方がない。

 今更説明するまでもない、イギリス王室の話をエリザベス女王の治世に沿って綴るクロニクルといった趣で、あと1話でシーズン5が終了。もう少しで終わってしまうのが残念な気持ちになっている。

 歴史的事実や、リアルタイムで知っていたニュースであっても、その背景には知りえないことが沢山あるわけで、そこをフィクションで膨らませつつ、かといって紋切り型の君主制・王室批判でもないところが好ましいし、何しろ娯楽作品として面白い。

 多くの人物が登場する中で特にお気に入りなのは、フィリップ王配殿下とマーガレット王女。二人とも女王を助ける犠牲的な存在でありながら、自分のありようを確立しよ うと奮闘努力する姿から、王室という制度維持の非人間的側面が良く伝わってくる。

 今思いつくお気に入りのエピソードは、シーズン4の第4話。女王の寝室に侵入者がいたという、当時新聞で知った事件だが、そこにサッチャリズムの弊害を絡めての庶民生活の描き方は、ケン・ローチの作品を見ているような気がした。

 今はちょうどダイアナがBBCのインタビューを受けたところで、それとて、ダイアナだけでなく、インタビューする側の方針転換や、ジャーナリズムのあり方などにも切り込んでいて視点が沢山ある。そのあたりがこの作品の病みつきになる点なのだと思っている。

 ともあれ、あと1シーズン。どんなエンディングか早く観てみたい。

 

 

 

『エキゾチック・パリ案内』読了

www.heibonsha.co.jp

著者:清岡智比古

出版社:平凡社

発行年:2012年11月15日 初版第一刷

 

 大部で重厚なミステリーを読んだあとに、何か軽く楽しく読めそうなものが欲しくて図書館で発見。

 タイトル通り、パリの案内書ではあるけれど、頭に「エキゾチック」とついているのがポイント。いわゆる観光案内にはあまり載っていない(と思われる)地域を、大きくユダヤ系、アラブ系、アフリカ系、アジア系で章立てし、映画・音楽・食事を切り口にそれぞれを紹介していて、どのページをめくっても興味深かったです。

 音楽に疎い私は、ティケン・ジャー・ファコリーという名前をこの本で初めて知り、紹介されいていた「パリのアフリカ人」を聞いてみました。これってスティングの「イングリッシュマン・イン・ニュー・ヨーク」のフランス語版カバーなんですね。そのフランス語版の歌詞を著者が日本語にしてくださっていて、ちょっと泣けてきます。

youtu.be

 紹介されている映画もちょっとひねりが多く、作中の場所一つをとっても、歴史や性格までは分からなかったので、それを思い出しながら読むと、今度はあれこれ調べたくなります。「イブラヒムおじさんとコーランの花束」はもう一度観なくては。「チャオパンタン」は見逃したままになっているので、これも必見かと。

 優しい筆致で進んでいく本書ですが、そこかしこにちょっとした引っ掛かりがあって、「もう少し書いてくれたらいいのに」と思うところもありました。でもきっとそこが仕掛けなんだと思います。そこから先は、自分で確かめに行ったり、もっと資料を探したりしてみましょうという、お誘いなのだと思います。

 近々公開される「バティモン5」が気になっているので、充実した巻末の参考文献を手掛かりに、あれこれ探してみようかなと思っているところです。それから、アジア人街に出てきた「留仏勤工倹学」。アメリカに渡った中国人の事は少しは知識としてしっていましたが、フランスにも大量に送り出していたということに驚きです。周恩来や鄧小平がフランス留学経験があるとは知っていましたが、その背景についての説明を読むにつれ、興味は深まるという仕掛けです。

 パリについての本ですが、例えば「悪なき殺人」といった映画の背景理解にも役立つと思いますし、できれば続編というか、ヴァージョンアップしたものを読みたいと思います。